令和元年10月前半の法語

住職ノート

爽やかな秋の風を感じながら、いささかうっとおしい天気を感ずる今日この頃です。坊守から何か良い香りがしない? と尋ねられるので,外を見ると、金木犀がまっ黄色に咲いていました。自然の移り変わりに気にせずに生きている自分を反省したことです。

今月の標語は、「一人前でない人間が、一人前であるかのように 誤解して生きていく」としました。私自身が、今までいかにも立派に完成された人間と思って、生活していなかったか。まことに危うい行きかたであり、恐ろしい行きかたとおもざるを得ません。仏さまの目に映り、心に映った私の生きざまこそ見過ごすことのできない、願わざるを得ない不完全、なもの、であった、この私に向けられた願いに他ならないとしみじみ考えさせられている今日この頃です。実りの秋に、我が姿を考えてみたいものです。