令和4年12月後半の法語

 

 今年も残すところ2週間になりました。寺の周囲では水仙の花が咲き、心地よい香りを漂わせています。

 ふと振り返ると、喜怒哀楽、今年も様々なことがありました。年末になり、若いころ共に野球少年として頑張った友が亡くなりました。世話好きな、気の良い社長でした。私にしっかりして生き抜けよ、と教えてくれているようです。みんなが、ひとつひとつ過去の歴史が消えていくのですね。楽しかったこと、苦しかったこと、次の世代にしっかりと伝えていきたいものです。

 今年最後の法語は、「年のくれ 仕事や遊びと相談すると 参詣はできないが、無常や煩悩と相談すると 参詣しやすい」としました。何とかして、今一層、多くの人々に、寺の門をくぐってもらいたと思ってのことでした。今日の常例法座もわずか10名ほどでしたが、初めてお参りされた方がありました。内心うれしいことでした。昔と比べ社会構造が大きく変化し、忙しさに紛れて、お寺に参って自分を見つめ、仏さまに出遇おうという心のゆとりのないことは理解できるものの、それであるからこそ心静かに仏前に座し、自分を見つめることが必要ではないでしょうか。 

 来年度は西宗寺の門信徒会の役員交代です。これを機会に、こんな時代だからこそ感覚を新たにして、寺としての存在価値、寺からの発信を進めていきたいと思います。

 今年もありがとうございました。明年もよろしくお願いいたします。