令和2年9月前半の法語
9月に入りました。
連日猛暑が続いています。
本堂のガラス戸をいっぱいに開けておくと、ツバメやヒヨドリ等の鳥が入ってくるため、
遠慮がちに開けて、少しでも風通しがよくなるようにとしていますが、
夕方になっても畳が暖かく、夜までムンムンする毎日です。
何時になったら秋らしい涼しさがやって来るのでしょう。
そんな中でも、ふと周りを見渡せば、この間まで青々としていた田んぼが黄色く変わろうとしています。
栗や柿も実をつけ、日ごと大きくなってきてています。
人間が暑い暑いと愚痴をこぼしていても、自然はその恵みをちゃんと私たちにとどけてくれるのです。
有難いことです。
今月前半の標語は、
雨に打たれた 稲の低姿勢 霜に打たれた 柿の味 辛苦に耐えた 人の味
としました。
「実ほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」の言葉と同じように、
色ずいてきた稲の姿を通して、また、渋かった柿が甘い甘いお茶菓子になったり、
生涯に様々な人生模様があっても穏やかな物腰の年配の人。
自分の姿を静かに見つめ直したいものです。