令和2年10月後半の法語
神無月も中旬になりました。
一般的に10月を「神無月」と呼びますが、ここ松江のある島根県出雲地方
では、「神在月(かみありづき)」と呼びます。
全国の神様が出雲に集まられ、重要な会議をされるそうです。
何とも奥ゆかしい話ではありませんか。
さて、今月後半の法語は、
「飲む 食べる 当然のことが 当然でなくなった時
はじめて その素晴らしさを 教えられる」
としました。
今年こそ、この言葉を厳しく、そして優しく教えられたことはなかったように思
います。
老いることから若さを、病から健康を、死から今の生を。
当たり前と思っていたことが、ピンチになって初めて知らされ、気づかされる私
です。
先日の新聞に、「全国住みたい街」に松江は第5位のランクでした。
本当にその良さを知っているのか?
気づいているのか?
報恩講の季節になってきました。
親鸞聖人の御命日をご縁として、お念仏のみ教えを私に届けてくださった聖人の
ご遺徳をしのび、感謝し、そしてあらためて阿弥陀さまの教えを聞かせていただ
く、一年で最も大切なご法要です。
今年はコロナ禍で、ご門徒さま方と一緒にお勤めする報恩講を中止される寺、
あるいは規模を縮小される寺、等々ご苦労されているようです。
この時こそ、お念仏の教えに新たな思いで出遇い、自分の在り様をしっかりと見
つめたいものです。